【院長コラム】 No.1 開業40年に向けて
佐倉歯科口腔クリニックは来年の4月12日で開業40年になります。この40年間で約9000名の患者さんを診てきました。患者さんの希望を聞きながら、当院の治療方針をできるだけ理解していただけるように努力してきたつもりですが、忙しい治療の合間に当院の考え方をすべて理解してもらうには、時間的に限界があります。
また、日常生活での情報を多くの方がスマートフォンで得ることが当たり前の時代になり、クリニックのH.P.もスマートフォンで見やすいように、また予約もできるようにリニューアルすることにしました。
スマートフォンで簡単に情報を得ることができるようになり便利にはなりましたが、歯科治療に関する情報はますます玉石混淆の状態になっています。ネット上の歯科情報にはとんでもないものも多数あります。
「健康を決める力」というサイトを運営する聖路加国際大学の中山和弘教授(看護情報学)は「納得のいく決定には研究の積み重ねでできた科学的根拠(エビデンス)と患者個人の体験(ナラティブ)の療法が必要だといいます。ではその信頼できる情報はどこで探せるのでしょうか。
中山教授によりますと「先進国では国立医学図書館があり、論文検索サイトを無料公開し、市民向けに分かりやすく解説した総合情報サイトを運営しているが、日本にはまだない」といいます。
インターネットの情報をどう受け止めるかは利用者の自己責任です。 「健康情報を理解し、質の良しあしの見分け、活用する力も患者さんに必要」と中山教授は注意しています。
歯科関係の情報はどうでしょうか。
非営利組織である日本歯科医学会には分科会である学会が、いくつもあります。例えば、日本歯周病学会や日本口腔外科学会、日本矯正歯科学会などです。それらの学会も患者さん向けにネット上で情報を提供しているようですが、充分ではないように私には見えます。
残念ながらその他は私の知る限り日本には営利性のない情報を提供してくれるサイトはなさそうです。
非科学的な、間違った情報でも数多く発信されますと患者さんはその情報が頭の中に刷り込まれてしまい、それを唯一正しい情報として信じてしまいます。
一度刷り込まれてしまいますと、私がどんなに説明しても本当のところを理解してもらうには大変な労力を要します。
繰り返しますが、歯科関係の情報は誤った情報もたくさんありますので注意が必要です。
*院長コラムとは別にブログも始めましたのでそちらも見てください
https://sakura-stoma.blogspot.com/
2021年11月22日 19:28