佐倉歯科口腔クリニック|むし歯・歯周病|さいたま市大宮区

誤解と間違いがあふれる歯科治療の現実からあなたの歯を守りたい。歯科治療の真実を知ってもらうことが佐倉歯科口腔クリニックの願いです。

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院長コラム No37 1億6,707万7,222円の薬と50年間変わってないむし歯の治療費


日本で最も高価な薬は、2020年5月20日から保険適用された「ゾルゲンスマ」です。価格は1患者あたり1億6,707万7,222円で、現時点では国内最高額の一度限りの治療薬です。
ゾルゲンスマとは?
ゾルゲンスマ(一般名:オナセムノゲン アベパルボベク)は、乳幼児の難病である脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬です。SMAは遺伝子の変異によって筋肉が進行性に萎縮していく病気で、ゾルゲンスマは遺伝子治療によってこの原因に作用します。
なぜそんなに高いの?
この薬が高額な主な理由としては、以下の点が挙げられます:
  • 希少疾患の治療薬であること: SMAのように患者数が少ない疾患の場合、研究開発にかかった費用が少数の患者さんに集中するため、薬価が高くなる傾向があります。
  • 研究開発の費用: 薬の開発には10年以上の期間と数百億円規模の研究開発費用がかかることがあります。特に遺伝子治療薬のような最先端の医薬品は、高度な技術と長い開発期間が必要です。
  • 高い効果と利便性: ゾルゲンスマは一度の点滴注射で治療が完了する可能性があり、これまでの治療薬と比べて利便性が高いとされています。
患者さんの負担は?
「1億円を超える薬だと、治療を受けられないのでは?」と心配になるかもしれませんが、日本には公的医療保険や高額療養費制度があります。これにより、実際に患者さんが自己負担する金額は一定額に抑えられます。また、脊髄性筋萎縮症は小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象であり、自治体による医療費助成もあるため、自己負担額がほとんど発生しないケースも多いです。
それでは皆さんむし歯の治療にはいくらかかるか知っていますか
歯髄まで進行していないむし歯の場合、感染した歯質を完全に取り除き、深い部分はセメントなどで埋めます(裏層といいます)
最終的な形成をして型を取ることになります。
ここまでがむし歯の治療です
保険治療ではう蝕歯インレー修復物形成と言われています
その後技工士さんが金属で修復物を作り、形成した歯に装着することになります。修復物を装着することは医療行為というより、修復行為になります
むし歯で感染した歯質を除去して裏層して形成する費用はどのくらいか皆さん知っていますか
1200円です
深いむし歯の場合1歯でもかなり時間がかかる場合がありますが、それでも1200円は変わりません
この1200円という費用、なんと昭和51年から変わってないのです
昭和51年当時は即日充填処置(即処)と呼ばれて1100円でした。それに感染した象牙質をチェックするカリエスデンティンテストというのが100円ついていましたので、併せて1200円です。
50年間むし歯の治療費が全く上がっていないのは異常だと思うのですが、日本歯科医師会は強く抗議したことはないようです
詰める物の費用は上がっているのではないかと思われるかもしれませんが、それは金属代が異常に高騰して、技工料金が上がることによるものであり、歯科医師の収入には直接結びつきません
1億6,707万7,222円の薬が保険適応になる一方で、むし歯の治療は50年間1200円
命と歯の重要性を比較するわけではありませんが、50年間むし歯の治療費が変わってないことはどう考えてもおかしいと思いませんか
 
 
 
2025年11月27日 09:41

院長コラム No36 「クリーニング」と「お口」という言葉について

 診療所には時々「クリーニング」をしてくださいという患者さんがきます。 この「クリーニング」という言葉は専門的な歯科医学用語にはなく、歯科医師の解釈も患者さんの理解もあやふやなようです。
 
 私の診療所ではこの「クリーニング」という言葉はまったく使っていませんので、どのようなことを希望しているのか聞いてみますと、 ある患者さんは歯石を取ることを考えていますし、歯についた茶渋のような物を磨くことを希望してくる方もいます。また、歯を白くすることをクリーニングと考えている方もいます。
 
 ある歯科医師は次のように言っています。
 「女性が美容院で体験する感覚に似ていると思います。髪は自分でも手入れできますが、より美しさを求めて美容院に行きます。お口の場合も自分でケアできますが、より気持ち良いケアのために歯科医院に行く。これが理想ですね」
 
 このような発想は、デンティスト(歯の修理工)特有の発想なのです。最近、病院に行く感覚ではなく美容室やエステティックサロンに行く感覚で来てもらいたなどと言う歯科医院も多数あり、この歯科医師も歯科医院と美容院を同列に語っていますが、歯科医院は本来医療機関であり、決して、並びたつものではありません。
 
 より美しさを求めて美容院に行くことを定期検診で歯科医院に行くことの例えとしてあげているのでしょうが、その発想を持つこと自体がデンティストの性なのです。
 歯科診療所というのは歯科医療をするところです。しかし、もともと医療行為をやっていない上に、診療室の雰囲気まで美容室のようにしていては、ますます医療行為をしている医師には見られないでしょう。
 
 また「お口」という言葉づかいからして、医師ではありません。医師は「お耳」とか「お目々」などとは言わないのが当たり前で、このような発言をする人たちに本当の医療行為ができるわけがないのです。
 
 このような言葉で表現するのは一部の歯科医師に限ったことではありません。
 日本歯科医師会のホームページのタイトルは「歯とお口のホームページ」になっていますし、ホームページ内では全て「お口の健康」「お口の仕組み」「お口の病気の話」という表現に徹しています。
 
 ちなみに日本耳鼻咽喉科学会のホームページを見ますと患者さん向けの内容でも「耳、鼻、のど」などという表現を使っており、「お耳」や「お鼻」などいう言葉はどこにも出てきません。
 
 なぜ歯科医師は「お口」という言葉を使いたがるのでしょうか。私にはまったく理解できません。

 
 
2025年10月16日 11:57

院長コラム No35 8028をめざして

終戦記念日は、日本では一般的に8月15日とされています。
 2025年8月15日は、80回目の終戦記念日です。日本では、この日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」として、政府主催の全国戦没者追悼式が行われます
「記念日」というのはおかしいので「終戦の日」と表現する場合もあるようです。
先日の朝日新聞の天声人語に藤木清子という戦前の俳人が紹介されていました
一部を引用します
「<ひとすじに生きて目標をうしなへり>。85年前、この句を最後に突然俳壇から姿を消した藤木清子というひとがいる。活動したのは1931年からの10年足らずで、生没年すらわかっていない。だがその作品は、一度目にすると忘れられないほどの鮮烈な印象を残す。例えば、39年の俳誌に載った<戦死せり三十二枚の歯をそろへ>。日中戦争で多くの若い命が失われた。その事実を知っていても、<三十二本の歯が全部そろった若者>だと突きつけられると悄然とする。以下略
 昭和14年頃の日本人の平均寿命は50歳に届かなかったようです。
現在の平均寿命は女性が87.13歳、男性が81.09歳です。85年前と比べて30歳以上平均寿命は延びています。80歳から84歳の日本人の平均残存歯数は約15本です。
 加齢とともに残存歯数は減っていきますが、高齢だからとか、よぼよぼだからという理由で抜歯される歯はありません。歯は病気の結果抜かれます。それも特別な病気ではありません。
 むし歯が進行してこじれたか、進行した歯周炎の結果抜かれるのです。
一度病気を治して再発を予防することができれば、平均寿命まで生きても歯を抜かれることはありません。今でも20歳の人の平均残存歯数は親知らずを含めると28本以上あります。
 女性は90歳過ぎまで長生きする方も珍しくありません。男性も85歳で元気な方もたくさんいます。
世界情勢が不安だとは言っても今の日本で20歳の男性が28本の歯を残して戦争で死ぬことはありません。
 平和な日本だからこそ、8020ではなく、8028をめざしていく必要があるのです
 
2025年08月15日 11:08

院長コラム No34 日本歯科医師会会長就任所感を読んで

 日本歯科医師会の会長に高橋英登先生が再選されました。
日本歯科医師会の会長選挙は会員による直接選挙ではありませんので私のような末端の会員には選挙権がありません。歯科医師会の会員数は約63,000人ですから直接選挙にしてもいいと思うのですが、役員の皆さんには全くその気がないようです。現行のような非民主主義的な制度のほうが得する人がいるのでしょう。
 高橋先生は会長就任にあたっての所感で歯科医師会の役割は「口腔の健康を介して国民を幸せにすること」と述べています。
歯科医師は口の中を健康にする仕事を本当にしているのでしょうか。
 一般的な歯科医師が日常の仕事としてやっていることは歯を削って白いものを詰める、かぶせる、歯を抜いて義歯やインプラントを入れる。ホワイトニングと称して歯を白くする。歯列矯正で歯並びをきれいにする。
 ほとんどの歯科医師がこれらを治療と称して毎日やっているのです。これらは病気の治療ではありません。歯並びをきれいにすることも歯を白くすることもかぶせることも病気の治療ではありません。歯の大工仕事みたいなものです。
 歯を失う原因はむし歯がこじれるか歯周病が進行したことによるものです。
皆さんは信じられないかもしれませんが、多くの歯科医師はむし歯も歯周病も治していません。病気の後始末をしているだけです。
病気の後始末をしているだけですから、口の中を健康にすることなどできるわけがありません。
 また、高橋先生は所感で「歯科にかかわる全ての職種の社会的評価の向上に取り組む」とも述べています。
確かに歯学部の偏差値は昔と比べると著しく低下し、定員割れの歯学部もあります。歯科衛生士の学校も8割の学校は定員割れです。歯科技工士学校に至っては廃校になる学校も多く、卒後数年で離職する人もたくさんいるようです。
 何故歯科に関わる職種の社会的評価は低いのでしょうか。その答えのキーワードは「医療」です。
口腔の医療も目の医療や耳の医療と同じで、歯科医師が医療行為をしているならば、歯科医師の評価が医師より低くなる理由がありません。
評価が低いのは医療を行っていないからです。
そのことを高橋先生は理解してないようです。
 歯科医師がインプラントや審美歯科や歯列矯正をやればやるほど歯科医師の社会的評価は低くなることはあっても高くなることはないでしょう。
佐倉歯科口腔クリニックはこれからも顎口腔領域の医療を行っていきたいと考えています。
 
2025年07月17日 09:50

院長コラム No33 週間現代の記事を読んで

 週刊現代に「危険な歯医者、儲けのからくりとその見抜き方」という記事が掲載されていました。
記事の冒頭で「あらゆる医者のなかで、歯科医の技量がもっともピンキリと言っていい。悪徳歯科医のカモにされないために、その特徴を覚えておこう」と書かれています。
 皆さんは歯科医師が本当に医療行為を行っている医者と考えていますか。おそらくほとんどの人が歯科医師は医者というより、歯の大工さんと考えたほうが感覚的にぴったりするのではないでしょうか。
 歯を削る、埋める、歯を殺す、かぶせる、歯を針金を使って動かす、骨を削って金属の棒を立てる、歯を白くする。これらの行為はデンティストリーと言って法的には歯科医療行為ですが医療行為ではありません。
 あらゆる医者の中でと医師も歯科医師もひとくくりに考えているようですが、皆さんは何故医師の教育は医学部、歯科医師の教育は歯学部と別れているのか知っていますか。
 この質問に対して正しく答えらえる歯科医師や医師はほとんどいないと思います。
答えを詳しく書くことは省きますが、歯科医師は元々歯大工がルーツですから、「あらゆる医者」とひとくくりにしたら医師が怒ってしまいます。
その歯大工の典型的な人物がこの記事で取材を受けているインプラントが得意だと盛んに宣伝しているK歯科医師です。
 K氏は記事の中で「情報弱者をターゲットにして荒稼ぎをしている歯科医師が年々増えています。こういう悪質歯科は何も知らない人の弱みにつけこんで、十分な治療もしないで、経営のためなら患者は二の次のクリニックが急増していると感じます」述べています。
K氏は自分はこのような歯科医師ではないという前提で話をしているのでしょう。しかし、インプラントばかりやっているK氏こそが悪徳歯科ではないのでしょうか
K氏の言い分は自分は歯がない人に十分に説明して納得してもらった上で、インプラントを入れているというでしょう。
確かにK氏のところへ来るお客さん(あえて患者ではなく)は歯がない人かもしれませんが、どうして歯が無くなってしまったのでしょうか。むし歯や歯周病が進行してこじれて歯科医院で抜いたのではありませんか。
歯があればインプラントを入れる場所はありません。
 インプラントは欠損補綴の一つかもしれませんが、治療ではありません。治療というのは病気を治すことです。K氏が患者のために経営も考えず十分な治療をして病気を治しているというなら、私も批判はしません。
しかし、K氏の診療所の信じられないようなインプラントの埋入本数と、あの看板から推測しますと、K氏の診療所が病気の治療をしているとは考えられません。
 私が師事しています飯塚哲夫氏はよく次のようなことを言います「医師は病気を治すのが仕事、葬儀屋は死んだ人の葬儀をするのが仕事。どちらも必要な仕事だが医者が葬儀屋をやることはない」
 K氏は自分が歯を抜いたのではない、他の歯医者に抜かれて困っている人が来るのだと言うかもしれません。
そのような言い訳は歯科医師としてどうでしょうか
 K氏のような歯科医師が増えれば増えるほど歯科医師の社会的評価は低くなることはあっても高くなることはありません。
K氏の診療所にインプラントを埋入してほしいと来るお客さんがいなくなった時こそ歯科医師の評価が上る時ではないでしょうか。
 
2025年06月13日 17:48

院長コラム No32 駅前で開業した歯科医院のチラシを見て

 大宮駅の西口には新しいビルが次々と建てられています
その新しいビルにテナントとして歯科医院が入ることが珍しくありません
大宮駅西口の新しいビルのテナント料は都内の一等地ほどではありませんが決して安くありません.

 高いテナント料を払って良く経営が成り立つなと他人事ながら心配してしまいます。
経営を成り立たせるからくりはいろいろ理由をつけて自由診療に持っていくことのようです
新聞に折り込み広告を入れてきたある歯科医院は、自由診療を勧める理由を次のように書いています。
 「保険の治療は最低限度使えるまでの治療で、隣接する歯の健康や先々のことを考慮した治療ではない」と説明し「自由診療は歯科材料や歯科医師の技術的な治療に制限がなく、再発リスクの少ない歯の将来を考慮し噛むことや話すことを重視した治療が可能」と説明しています。
 
  もっともらしい説明ですが、単刀直入に言えば保険診療で高いテナント料が払えません。
儲からないので自費診療でお金を出してくださいということだと思います。
隣接する歯の健康を考慮するということはインプラントにすれば隣接する歯を削ってブリッジにしなくて済みますよということでしょう。そこにまたからくりがあります。
歯を削るのはだめでインプラントを埋入するために骨を削るのはいいのでしょうか。
医師や看護師などの医療従事者と話をしていますとほぼ全員の方が骨を削るインプラントではなく歯を削るブリッジを選択します。
骨を削って金属の棒を入れることの医学的な問題点が分かるからでしょう
またこの歯科医院は顎関節症の治療として「嚙み合わせ治療、歯を削らない矯正治療で顎の痛みを改善」と説明していますが本当に顎関節症のことを勉強しているのでしょうか
 顎関節症という言葉自体世界的には使用されていない言葉で、「T.M.D」という言葉を使用するのが常識ですし、噛み合わせや矯正治療でT.M.Dを治すなどという非常識なことを言っている歯科医師は世界的に見てほとんどいません。
結局はすべて経営のため、自由診療しかないインプラントや歯列矯正に誘導するための詭弁でしかないのです。
駅の近くの立派なビルで開業している歯科医院にかかる場合は、それなりに注意が必要だということは覚えておいてください。
 
 
2025年05月01日 17:41

院長コラム No31  予後の意味が分からない歯科医師

病院や診療所で「予後」とう言葉を聞いたことがありますか。
予後とは辞書によると
 1 病気・手術などの経過または終末について、医学的に予測すること。
 2 病気の治癒後の経過。 と説明されています。
 
また、「予後とは、手術後の患者の状態や、病気・創傷の将来的な状態、特にそれらの状態に関する見込み、を意味する医学用語である」 とか「予後という言葉は疾病のその後の経過の予測として使うものである」という解説もあります。
 
しかし、この「予後」という言葉が間違って使われている場合があります。
例えば、「腹腔鏡手術の予後」とか「AEDを使用した場合の予後」などというのは明らかに誤った使い方です。
「腹腔鏡手術を行った○○癌の予後」、「AEDを使用した心臓震盪の予後」というのが正しい使い方です。
 
内科や外科ではさすがに誤った使い方をしている医師は少ないようですが、歯科では誤った使い方をしている歯科医師や論文が多数見られます。
 
例えば良く見られるのは「インプラントの予後」とか「レジン充填の予後」「インレーの予後」「歯周再生療法の予後」「矯正治療後の予後」など例を挙げればきりがありません。
 インプラントやインレー、レジンは「物」で、「病気」ではありませんから予後という言葉は適切ではありません。また歯列矯正は一部を除き美容が目的ですから、これも予後という言葉を使うのは誤りです。
 
インプラントにいたっては病気を治すどころか、新しい病気を作っているのですから、「予後」という言葉が一番合わない処置なのです。
ある歯周病専門医の歯科医師は歯周病の治療について「予後の改善」とか「予後を延ばす」などをいう表現を使い論文を書いていますが、これもおかしな日本語です。
歯周病治療についても、例えば「歯周再生療法を行った重度歯周炎の予後が良好か不良か」というのが正しい表現かと思います。
 
なぜ歯科界には「予後」という言葉の誤った使用例が多いのでしょうか。
それは歯学部の教育のほとんどがデンティストリーと言われる歯の修理工や歯の美容を教育しており、病気の治療という概念が根本的に欠けているからだと、私は考えています。
病気が治るということはどういうことなのか、医師として当然のことが分からない歯科医師が多いようです。
 
歯科医師として誰でも治療できると思われている、むし歯も歯周病も本当の意味での治癒を理解している歯科医師は少ないようです。
「病気の治癒」が分からない歯科医師が「予後」という言葉を誤って使用してもおかしくはありません。
「治癒」が分からないのですから、そのような歯科医師に診てもらっても病気は治りません。
 
2025年03月01日 11:13

院長コラムNo30 インプラントの無料相談会を考える

 
新聞にインプラントの無料相談会を開催しますという折込広告が時々入ってきます。 先日もインプラントが得意だという歯科医院がチラシを入れていました。
 
 チラシのタイトルは「歯でお困りの方はご相談ください」でした。 このタイトルおかしいと思いませんか。
 
 インプラントというのは歯がないところに骨を削って金属の棒を入れる処置です。 歯で困っている患者さんが受ける処置ではなく、歯がないことにより噛むのに困っている患者さんが受ける処置です。
 
 またチラシにはインプラントを入れることは得意ですが、歯を残すことはもっと得意ですとも書いてあるのです。 インプラントは歯がない部位に入れるもの、歯があればインプラントは必要ありません。
 
 歯を残すことのほうがもっと得意だというのであれば、矛盾する文章ではありませんか。 歯で困っている患者さんに行うことはインプラントの無料相談ではなく、歯を残すことの無料相談のはずです。
 
 歯を残すことはもっと得意というのは矛盾があるだけでなく、患者さんを紛らわせる 広告で問題があると思います。
 
 この歯科医院のホームページを見ますと、インプラントの宣伝がほとんどを占めており、歯を残す治療については一般歯科としてわずかに書いてあるだけです。 歯を残すことが得意と宣伝し、結局はインプラントを入れる患者さんを集めるというのが本音なのでしょう。
 
 インプラントが大好きな歯科医師は患者さんのために病気の治療をしている人ではなく、お金儲けが好きなただのデンティスト(歯大工)でしかありません。
 
 高額な宣伝費をかけてラジオで広告を頻繁に流している歯科医院もあります。 それだけ広告宣伝費をかけてもそれ以上の利益があるのでしょう。
 
 インプラントが大好きな歯科医院から見れば来院する方は患者さんではなくお客さんでしかありません。 患者さんは病気の治療の対象ですが、お客さんは儲けの対象です。
 
 皆さんは患者さんとして診てもらいたいですか、お客さんとして対応してもらいたいですか。

 

 
 
 
2024年11月01日 09:58

院長コラム No29 PMTCの誤った考え方


 
 ウエルテックという歯磨き粉などを販売している会社から「患者さんに寄り添ったPMTC」という小冊子が送られてきました。
  最近、このPMTCとかクリーニングという言葉は患者さんの間にも浸透しており、クリーニングを主訴として来院する患者さんもいます。しかし日本ではこのPMTCという処置が間違って浸透してしまったようです。
 
 PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)はスウェーデンのAxelssonという予防歯科の先生が提唱した概念です。
 Axelssonは「PMTCは専門家による機械的プラークコントロールであり、歯面研磨のことではない。」と定義しています。  
  具体的な方法としては「電気エンジンとフッ化物配合研磨剤を用いて、歯肉縁上から縁下3㎜までのすべての歯面からプラックを取り除くことである。」としています。
  ところが、日本ではPMTCというと、様々な処置がおこなわれているようです。  歯周病の治療としての処置や、歯石除去、ステイン除去、歯のクリーニン グ、口腔内の清掃など多肢に渡り、それぞれの歯科医院の独自の判断で行われているようです。
 日本ではPMTCという言葉だけを利用し、一部の歯科医師が勝手に定義を変更して自分の考えを広めているだけと考えてください。
 患者さん自身による質の高いプラークコントロールができれば、AxelssonのいうPMTCは必要ありません。この効果のあるセルフケアというのが難しいので    す。
  歯科先進国と言われるアメリカの予防歯科の論文にもPMTCの必要性や有効性を示しているものはないようです。
 今回送られてきた小冊子で紹介しているPMTCは完全に歯面研磨(歯の表面の着色や歯石を取る)の説明になっていました。 歯の表面を磨いても一時的に歯がきれいになることはあっても、むし歯の予防や歯周病の予防効果はほとんどないことを理解してください。
  
 医療効果のある定期的な処置としては、歯周病のメインテナンスで行われるperiodontal debridementという処置があります。periodontal debridementというのは、少し専門的な話になりますが、歯の根の表面だけでなく歯周ポケットスペースや歯周組織の軟組織なども対象にプラック除去を行うことです。
  歯周炎という病気は完全に治ったとしても、油断しているとその後再発することがしばしばあります。歯周炎を再発させずに健康な状態を維持していくためには、毎日の患者さん自身によるプラックコントロールと歯科医院で受ける定期的な処置を継続していくことはとても重要なことです。
2024年07月24日 18:43

院長コラム No28 歯列矯正の時期について

 校医をしている小学校の歯科健診に行ってきました。
 
 矯正治療をしている児童が何人かいましたが、中にはなぜこの時期にこのような矯正の装置が口の中に入っているのか、全く理由が分からない児童もいました。
 矯正治療というのはいつ行ってもよいわけではなく、矯正治療に最も適した時期があります。
 それは、顎の骨の急激な成長が見られる12~15歳くらいの時期になります。  この時期が矯正治療に適している理由はいくつかあります。
 
 第1に顎の骨の成長期には、歯の移動が比較的容易にしかも急速に行なえるということです。
 第2にそれ以前の時期に歯を動かしても、その後顎の骨の急激な成長があると、それによって再び歯並びが乱れてしまう可能性があるということです。
 第3に12歳くらいになるとすべての永久歯がはえてくるので、矯正装置の装着などが容易になり、歯の移動がしやすくなるということです。
 特に上顎前突(いわゆる出歯)や下顎前突(いわゆる受け口)の治療は思春期の終わり頃に行うのが望ましいとされています。
 その理由は、顎の骨の成長がある程度進まないとその患者さんの生まれつき持っている素質としての上あごと下あごの位置関係が分からない場合があるからです。
 
 しかし、矯正治療の種類によっては本格的な矯正治療の準備的処置として思春期以前に行った方が良い場合もあります。
 たとえば、永久歯がはえてきた時に、とんでもない位置にはえてきた場合は、ある程度正しい位置に動かしておいた方が、後の本格的な矯正治療で歯を動かすことが容易になります。
 また、はえてきた永久歯の位置が悪く、見せかけの反対咬合を作っているような場合も、早期に歯の位置を変えたほうがいい場合もあります。
 そのほかにも上顎前突の症例のうちのあるものは、比較的早い時期に矯正治療を行った方がいい場合もあるようです。
 
 今回の学校健診で見うけられた児童の中には、何のために矯正装置をつけているのか全く理由が分からず、かえってプラック(歯垢)が付きやすくなっているだけで害があるように見える子もいました。
 
 歯科医院の中には矯正治療を希望する患者さんを逃がさないために、とにかく早く装置を付けてしまうところもあるようですから注意が必要です。
 
2024年05月16日 17:47