佐倉歯科口腔クリニック|むし歯・歯周病|さいたま市大宮区

誤解と間違いがあふれる歯科治療の現実からあなたの歯を守りたい。歯科治療の真実を知ってもらうことが佐倉歯科口腔クリニックの願いです。

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院長コラム NO40 インプラントは歯科医療を滅ぼす

歯科医療の「商業化」とインプラントという劇薬
現代の歯科医療において、インプラントは失った歯を補う魔法の杖のごとく君臨しています。しかし、私が「インプラントは歯科医療を滅ぼす」という警鐘を鳴らす背景には、単なる技術への否定だけではなく、医療の根幹が揺らいでいることへの強い危機感があるからです。
1. 抜歯の安易な選択と「保存」の軽視
歯科医療の本来の使命は、自分の歯をいかに長く持たせるかということです。しかし、高額な自費診療であるインプラントが経営の柱となると、現場では「無理に治療して残すより、抜いてインプラントにした方が確実で予後も良い」というまやかしのロジックが優先されがちになっています。本来なら根管治療や歯周病治療で救えたはずの歯が、ビジネス上の効率や確実性の名の下に、安易に抜歯の対象となっている現状があります。これは医療の本分である「組織の保存」からの逸脱に他なりません。
2. 生体への侵襲と「インプラント周囲炎」の盲点
インプラントは生体にとって「異物」であす。天然歯には「歯根膜」というクッションと細菌流入を防ぐバリア機能が備わっていますが、インプラントにはそれがありません。一度「インプラント周囲炎」を発症すれば、天然歯の歯周病よりも進行が速く、骨が溶け出すリスクもあります。しかし、多くの批判的視点が指摘するのは、術後の過酷なメンテナンス責任を患者に負わせたまま、手術の成功だけを強調する業界の姿勢です。数十年後、高齢となり通院やセルフケアが困難になった際、顎の骨に埋まった「抜けない異物」が深刻な炎症源となるリスクは、十分に語られているとは言い難いと思います。
 
本来の歯科医療とは、患者の食生活とQOLを支えるための地道な予防と治療後のメンテナンスの積み重ねの上に成り立ちます。目先の利益や利便性のために天然歯を軽視し、外科的な介入を第一選択とする風潮が続く限り、「インプラントが歯科医療を滅ぼす」という言葉は、現実の呪文となって歯科界を蝕み続けるのです。私たちが今一度問い直すべきは、インプラントという工事の成功率ではなく、一本の歯を救おうとする医療人としての矜持ではないでしょうか。
 
 
2026年05月31日 17:34

院長コラム NO39 砂糖とむし歯

糖分と健康の関係を調査するイギリスの専門家グループ「アクション・オン・シュガー(Action on Sugar)」は、イギリス国内に展開するコーヒーチェーンとファストフードチェーンのメニューに掲載されたドリンク131種類を分析した結果を公表しました。
 このうち実に98%で、砂糖含有量がイギリスの消費者向け食品指針で「摂取量を減らすべき」とされるレッドゾーンに達しているとしています。
 
 たとえば、スターバックスではオレンジとシナモンスティックを添えたグレープフレーバーのホットチャイの最大サイズ「ベンティ」に含まれる砂糖の量は、小さじ25杯分に相当する99グラムだそうです。
 
 砂糖の取りすぎは全ての健康に良くないということで、世界保健機関(WHO)は2015年3月5日、1日の摂取カロリーに砂糖などの糖類が占める割合を5%未満に抑えるよう呼びかける指針案を発表しました。
 
 WHOの発表は糖類が占める割合を示しているので、砂糖だけの量ではありませんが、砂糖の量に換算すると、平均的な大人の場合、総摂取カロリーの5%に相当する砂糖は25グラム。ティースプーン6杯分になります。
 これは一般的な砂糖を含んだ炭酸飲料1缶分に含まれている砂糖(約40グラム)よりも少ない量です。
 そう考えますと、スターバックスのホットチャイに含まれる砂糖の量が尋常ではないことが分かりますね。
 
 砂糖の取りすぎは肥満、糖尿病、むし歯などになりやすいと言われていますが、砂糖業界は自身のH,P.でそれらを否定する見解を述べています。
 
 むし歯と砂糖の関係については次のように書いてあります。
 『お砂糖を食べなくても、虫歯にはなります!
 甘いものを食べると虫歯になるというのは昔から言われていることです。しかし、甘いものを食べなくても虫歯になります。 では、虫歯の原因とはなんでしょうか?
 虫歯は、口内の細菌(虫歯菌)が増殖して歯を溶かす物質(酸)を作り出す事によって起こります。虫歯菌は歯に付いた食べカスをエサとして増殖します。つまり、砂糖に限らず、食べカスが口の中にあると、虫歯になるという事です。
 それならば、虫歯を防ぐ答えは簡単ですね。歯を磨いて食べかす(歯垢)を取り除く事です。食べカスが口に残らなければ虫歯菌も増殖できません。三度の食後といわず、何かを食べたら歯を磨く事を忘れずに。』
 
 誰がこの文章を書いたのかは知りませんが、むし歯予防についての正しい知識がある人が書いたとは考えられません。
 食べかすと歯垢は違いますし、また食べかすがあってもそれが野菜などのカスであれば酸は作れません。歯垢とは細菌の塊で、簡単に言えばその細菌が酸を産生するのに砂糖が一番いいエサになるということです。
 
 砂糖を適量摂取することは悪いことではありません。しかし、取りすぎは良くないということになれば、砂糖の消費量が減り、砂糖業界全体としても売り上げが減少するという構図は仕方ないことでないでしょうか。
 
2026年04月22日 15:13

院長コラム NO38 審美歯科は歯科医療ではない

 あるタレントが突き出た口元を目立たなくさせるために歯を6本抜いて歯列矯正したとか、歯茎を切ってセラミック矯正したとかネット上で話題になったことがあります。
 それに便乗して審美歯科をやっている歯科医師がここぞとばかり、解説をしたりして宣伝に利用していました。
 歯科医療を歯と口の医療と定義した場合、審美氏歯科は医療ではありません。歯を削ることは、歯に対しては障害行為です。確かにむし歯の治療やブリッジを入れる時には歯を削りま   すが、それは歯を削ることの医学的な有益性が生体に対するマイナスより上回っているからです。
 ところが、審美歯科と称して前歯を6本全部削ってしまうことは、歯髄(俗に神経などと言われています)に対してどんなに注意を払ったとしても、歯科医学的に見て害のある行為な のです。
  将来的に起こりうる歯髄失活(歯が死んでしまうこと)などの危険性について、患者さんに十分に説明した場合、それでも削ってきれいにしてほしいという人はどの位いるでしょう か。患者さんの多くは削らない選択をするのではないでしょうか。
  インプラントでも歯列矯正でもそうですが、歯科医療とは何かを理解していない歯科医師は医学的なマイナスなど考えないで、患者さんにも説明もせずに形だけを追求して一方的に進めていってしまう傾向があります。
  医科では、いわゆる美容外科は保険診療の適応ではありません。その理由は、美容外科が病気の治療ではないからです。病気の治療でなければ、保険診療の対象にならないのは当然のことです。同様に、美容外科と同じ範疇に入る審美歯科が病気の治療にはならないことから、歯科医療ではないことが容易に想像つくと思います。
 
 しかし、ここで根本的に違うのは医師の世界では美容外科医は病気の治療はしていない人達という認識があるのに対して、多くの歯科医師は審美歯科を病気の治療、歯科医療行為だと考えていることです。中には究極の歯科医療は審美歯科だとまで言っている歯科医師もたくさんいる歯科界は、医師から見れば非常に特異な人たちの集まりに見えるのはないでしょうか。
  このタレントは出演した番組で司会者からの「美容整形の一種じゃないの?」と質問され、「歯は整形じゃないです」「これは私は矯正の一種だと思ってます」と答えていますが、矯正も審美歯科も美容整形とおなじ括りに入ると私は考えています。

 
 
2026年03月25日 15:23

院長コラム No37 1億6,707万7,222円の薬と50年間変わってないむし歯の治療費


日本で最も高価な薬は、2020年5月20日から保険適用された「ゾルゲンスマ」です。価格は1患者あたり1億6,707万7,222円で、現時点では国内最高額の一度限りの治療薬です。
ゾルゲンスマとは?
ゾルゲンスマ(一般名:オナセムノゲン アベパルボベク)は、乳幼児の難病である脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬です。SMAは遺伝子の変異によって筋肉が進行性に萎縮していく病気で、ゾルゲンスマは遺伝子治療によってこの原因に作用します。
なぜそんなに高いの?
この薬が高額な主な理由としては、以下の点が挙げられます:
  • 希少疾患の治療薬であること: SMAのように患者数が少ない疾患の場合、研究開発にかかった費用が少数の患者さんに集中するため、薬価が高くなる傾向があります。
  • 研究開発の費用: 薬の開発には10年以上の期間と数百億円規模の研究開発費用がかかることがあります。特に遺伝子治療薬のような最先端の医薬品は、高度な技術と長い開発期間が必要です。
  • 高い効果と利便性: ゾルゲンスマは一度の点滴注射で治療が完了する可能性があり、これまでの治療薬と比べて利便性が高いとされています。
患者さんの負担は?
「1億円を超える薬だと、治療を受けられないのでは?」と心配になるかもしれませんが、日本には公的医療保険や高額療養費制度があります。これにより、実際に患者さんが自己負担する金額は一定額に抑えられます。また、脊髄性筋萎縮症は小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象であり、自治体による医療費助成もあるため、自己負担額がほとんど発生しないケースも多いです。
それでは皆さんむし歯の治療にはいくらかかるか知っていますか
歯髄まで進行していないむし歯の場合、感染した歯質を完全に取り除き、深い部分はセメントなどで埋めます(裏層といいます)
最終的な形成をして型を取ることになります。
ここまでがむし歯の治療です
保険治療ではう蝕歯インレー修復物形成と言われています
その後技工士さんが金属で修復物を作り、形成した歯に装着することになります。修復物を装着することは医療行為というより、修復行為になります
むし歯で感染した歯質を除去して裏層して形成する費用はどのくらいか皆さん知っていますか
1200円です
深いむし歯の場合1歯でもかなり時間がかかる場合がありますが、それでも1200円は変わりません
この1200円という費用、なんと昭和51年から変わってないのです
昭和51年当時は即日充填処置(即処)と呼ばれて1100円でした。それに感染した象牙質をチェックするカリエスデンティンテストというのが100円ついていましたので、併せて1200円です。
50年間むし歯の治療費が全く上がっていないのは異常だと思うのですが、日本歯科医師会は強く抗議したことはないようです
詰める物の費用は上がっているのではないかと思われるかもしれませんが、それは金属代が異常に高騰して、技工料金が上がることによるものであり、歯科医師の収入には直接結びつきません
1億6,707万7,222円の薬が保険適応になる一方で、むし歯の治療は50年間1200円
命と歯の重要性を比較するわけではありませんが、50年間むし歯の治療費が変わってないことはどう考えてもおかしいと思いませんか
 
 
 
2025年11月27日 09:41

院長コラム No36 「クリーニング」と「お口」という言葉について

 診療所には時々「クリーニング」をしてくださいという患者さんがきます。 この「クリーニング」という言葉は専門的な歯科医学用語にはなく、歯科医師の解釈も患者さんの理解もあやふやなようです。
 
 私の診療所ではこの「クリーニング」という言葉はまったく使っていませんので、どのようなことを希望しているのか聞いてみますと、 ある患者さんは歯石を取ることを考えていますし、歯についた茶渋のような物を磨くことを希望してくる方もいます。また、歯を白くすることをクリーニングと考えている方もいます。
 
 ある歯科医師は次のように言っています。
 「女性が美容院で体験する感覚に似ていると思います。髪は自分でも手入れできますが、より美しさを求めて美容院に行きます。お口の場合も自分でケアできますが、より気持ち良いケアのために歯科医院に行く。これが理想ですね」
 
 このような発想は、デンティスト(歯の修理工)特有の発想なのです。最近、病院に行く感覚ではなく美容室やエステティックサロンに行く感覚で来てもらいたなどと言う歯科医院も多数あり、この歯科医師も歯科医院と美容院を同列に語っていますが、歯科医院は本来医療機関であり、決して、並びたつものではありません。
 
 より美しさを求めて美容院に行くことを定期検診で歯科医院に行くことの例えとしてあげているのでしょうが、その発想を持つこと自体がデンティストの性なのです。
 歯科診療所というのは歯科医療をするところです。しかし、もともと医療行為をやっていない上に、診療室の雰囲気まで美容室のようにしていては、ますます医療行為をしている医師には見られないでしょう。
 
 また「お口」という言葉づかいからして、医師ではありません。医師は「お耳」とか「お目々」などとは言わないのが当たり前で、このような発言をする人たちに本当の医療行為ができるわけがないのです。
 
 このような言葉で表現するのは一部の歯科医師に限ったことではありません。
 日本歯科医師会のホームページのタイトルは「歯とお口のホームページ」になっていますし、ホームページ内では全て「お口の健康」「お口の仕組み」「お口の病気の話」という表現に徹しています。
 
 ちなみに日本耳鼻咽喉科学会のホームページを見ますと患者さん向けの内容でも「耳、鼻、のど」などという表現を使っており、「お耳」や「お鼻」などいう言葉はどこにも出てきません。
 
 なぜ歯科医師は「お口」という言葉を使いたがるのでしょうか。私にはまったく理解できません。

 
 
2025年10月16日 11:57

院長コラム No35 8028をめざして

終戦記念日は、日本では一般的に8月15日とされています。
 2025年8月15日は、80回目の終戦記念日です。日本では、この日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」として、政府主催の全国戦没者追悼式が行われます
「記念日」というのはおかしいので「終戦の日」と表現する場合もあるようです。
先日の朝日新聞の天声人語に藤木清子という戦前の俳人が紹介されていました
一部を引用します
「<ひとすじに生きて目標をうしなへり>。85年前、この句を最後に突然俳壇から姿を消した藤木清子というひとがいる。活動したのは1931年からの10年足らずで、生没年すらわかっていない。だがその作品は、一度目にすると忘れられないほどの鮮烈な印象を残す。例えば、39年の俳誌に載った<戦死せり三十二枚の歯をそろへ>。日中戦争で多くの若い命が失われた。その事実を知っていても、<三十二本の歯が全部そろった若者>だと突きつけられると悄然とする。以下略
 昭和14年頃の日本人の平均寿命は50歳に届かなかったようです。
現在の平均寿命は女性が87.13歳、男性が81.09歳です。85年前と比べて30歳以上平均寿命は延びています。80歳から84歳の日本人の平均残存歯数は約15本です。
 加齢とともに残存歯数は減っていきますが、高齢だからとか、よぼよぼだからという理由で抜歯される歯はありません。歯は病気の結果抜かれます。それも特別な病気ではありません。
 むし歯が進行してこじれたか、進行した歯周炎の結果抜かれるのです。
一度病気を治して再発を予防することができれば、平均寿命まで生きても歯を抜かれることはありません。今でも20歳の人の平均残存歯数は親知らずを含めると28本以上あります。
 女性は90歳過ぎまで長生きする方も珍しくありません。男性も85歳で元気な方もたくさんいます。
世界情勢が不安だとは言っても今の日本で20歳の男性が28本の歯を残して戦争で死ぬことはありません。
 平和な日本だからこそ、8020ではなく、8028をめざしていく必要があるのです
 
2025年08月15日 11:08

院長コラム No34 日本歯科医師会会長就任所感を読んで

 日本歯科医師会の会長に高橋英登先生が再選されました。
日本歯科医師会の会長選挙は会員による直接選挙ではありませんので私のような末端の会員には選挙権がありません。歯科医師会の会員数は約63,000人ですから直接選挙にしてもいいと思うのですが、役員の皆さんには全くその気がないようです。現行のような非民主主義的な制度のほうが得する人がいるのでしょう。
 高橋先生は会長就任にあたっての所感で歯科医師会の役割は「口腔の健康を介して国民を幸せにすること」と述べています。
歯科医師は口の中を健康にする仕事を本当にしているのでしょうか。
 一般的な歯科医師が日常の仕事としてやっていることは歯を削って白いものを詰める、かぶせる、歯を抜いて義歯やインプラントを入れる。ホワイトニングと称して歯を白くする。歯列矯正で歯並びをきれいにする。
 ほとんどの歯科医師がこれらを治療と称して毎日やっているのです。これらは病気の治療ではありません。歯並びをきれいにすることも歯を白くすることもかぶせることも病気の治療ではありません。歯の大工仕事みたいなものです。
 歯を失う原因はむし歯がこじれるか歯周病が進行したことによるものです。
皆さんは信じられないかもしれませんが、多くの歯科医師はむし歯も歯周病も治していません。病気の後始末をしているだけです。
病気の後始末をしているだけですから、口の中を健康にすることなどできるわけがありません。
 また、高橋先生は所感で「歯科にかかわる全ての職種の社会的評価の向上に取り組む」とも述べています。
確かに歯学部の偏差値は昔と比べると著しく低下し、定員割れの歯学部もあります。歯科衛生士の学校も8割の学校は定員割れです。歯科技工士学校に至っては廃校になる学校も多く、卒後数年で離職する人もたくさんいるようです。
 何故歯科に関わる職種の社会的評価は低いのでしょうか。その答えのキーワードは「医療」です。
口腔の医療も目の医療や耳の医療と同じで、歯科医師が医療行為をしているならば、歯科医師の評価が医師より低くなる理由がありません。
評価が低いのは医療を行っていないからです。
そのことを高橋先生は理解してないようです。
 歯科医師がインプラントや審美歯科や歯列矯正をやればやるほど歯科医師の社会的評価は低くなることはあっても高くなることはないでしょう。
佐倉歯科口腔クリニックはこれからも顎口腔領域の医療を行っていきたいと考えています。
 
2025年07月17日 09:50

院長コラム No33 週間現代の記事を読んで

 週刊現代に「危険な歯医者、儲けのからくりとその見抜き方」という記事が掲載されていました。
記事の冒頭で「あらゆる医者のなかで、歯科医の技量がもっともピンキリと言っていい。悪徳歯科医のカモにされないために、その特徴を覚えておこう」と書かれています。
 皆さんは歯科医師が本当に医療行為を行っている医者と考えていますか。おそらくほとんどの人が歯科医師は医者というより、歯の大工さんと考えたほうが感覚的にぴったりするのではないでしょうか。
 歯を削る、埋める、歯を殺す、かぶせる、歯を針金を使って動かす、骨を削って金属の棒を立てる、歯を白くする。これらの行為はデンティストリーと言って法的には歯科医療行為ですが医療行為ではありません。
 あらゆる医者の中でと医師も歯科医師もひとくくりに考えているようですが、皆さんは何故医師の教育は医学部、歯科医師の教育は歯学部と別れているのか知っていますか。
 この質問に対して正しく答えらえる歯科医師や医師はほとんどいないと思います。
答えを詳しく書くことは省きますが、歯科医師は元々歯大工がルーツですから、「あらゆる医者」とひとくくりにしたら医師が怒ってしまいます。
その歯大工の典型的な人物がこの記事で取材を受けているインプラントが得意だと盛んに宣伝しているK歯科医師です。
 K氏は記事の中で「情報弱者をターゲットにして荒稼ぎをしている歯科医師が年々増えています。こういう悪質歯科は何も知らない人の弱みにつけこんで、十分な治療もしないで、経営のためなら患者は二の次のクリニックが急増していると感じます」述べています。
K氏は自分はこのような歯科医師ではないという前提で話をしているのでしょう。しかし、インプラントばかりやっているK氏こそが悪徳歯科ではないのでしょうか
K氏の言い分は自分は歯がない人に十分に説明して納得してもらった上で、インプラントを入れているというでしょう。
確かにK氏のところへ来るお客さん(あえて患者ではなく)は歯がない人かもしれませんが、どうして歯が無くなってしまったのでしょうか。むし歯や歯周病が進行してこじれて歯科医院で抜いたのではありませんか。
歯があればインプラントを入れる場所はありません。
 インプラントは欠損補綴の一つかもしれませんが、治療ではありません。治療というのは病気を治すことです。K氏が患者のために経営も考えず十分な治療をして病気を治しているというなら、私も批判はしません。
しかし、K氏の診療所の信じられないようなインプラントの埋入本数と、あの看板から推測しますと、K氏の診療所が病気の治療をしているとは考えられません。
 私が師事しています飯塚哲夫氏はよく次のようなことを言います「医師は病気を治すのが仕事、葬儀屋は死んだ人の葬儀をするのが仕事。どちらも必要な仕事だが医者が葬儀屋をやることはない」
 K氏は自分が歯を抜いたのではない、他の歯医者に抜かれて困っている人が来るのだと言うかもしれません。
そのような言い訳は歯科医師としてどうでしょうか
 K氏のような歯科医師が増えれば増えるほど歯科医師の社会的評価は低くなることはあっても高くなることはありません。
K氏の診療所にインプラントを埋入してほしいと来るお客さんがいなくなった時こそ歯科医師の評価が上る時ではないでしょうか。
 
2025年06月13日 17:48

院長コラム No32 駅前で開業した歯科医院のチラシを見て

 大宮駅の西口には新しいビルが次々と建てられています
その新しいビルにテナントとして歯科医院が入ることが珍しくありません
大宮駅西口の新しいビルのテナント料は都内の一等地ほどではありませんが決して安くありません.

 高いテナント料を払って良く経営が成り立つなと他人事ながら心配してしまいます。
経営を成り立たせるからくりはいろいろ理由をつけて自由診療に持っていくことのようです
新聞に折り込み広告を入れてきたある歯科医院は、自由診療を勧める理由を次のように書いています。
 「保険の治療は最低限度使えるまでの治療で、隣接する歯の健康や先々のことを考慮した治療ではない」と説明し「自由診療は歯科材料や歯科医師の技術的な治療に制限がなく、再発リスクの少ない歯の将来を考慮し噛むことや話すことを重視した治療が可能」と説明しています。
 
  もっともらしい説明ですが、単刀直入に言えば保険診療で高いテナント料が払えません。
儲からないので自費診療でお金を出してくださいということだと思います。
隣接する歯の健康を考慮するということはインプラントにすれば隣接する歯を削ってブリッジにしなくて済みますよということでしょう。そこにまたからくりがあります。
歯を削るのはだめでインプラントを埋入するために骨を削るのはいいのでしょうか。
医師や看護師などの医療従事者と話をしていますとほぼ全員の方が骨を削るインプラントではなく歯を削るブリッジを選択します。
骨を削って金属の棒を入れることの医学的な問題点が分かるからでしょう
またこの歯科医院は顎関節症の治療として「嚙み合わせ治療、歯を削らない矯正治療で顎の痛みを改善」と説明していますが本当に顎関節症のことを勉強しているのでしょうか
 顎関節症という言葉自体世界的には使用されていない言葉で、「T.M.D」という言葉を使用するのが常識ですし、噛み合わせや矯正治療でT.M.Dを治すなどという非常識なことを言っている歯科医師は世界的に見てほとんどいません。
結局はすべて経営のため、自由診療しかないインプラントや歯列矯正に誘導するための詭弁でしかないのです。
駅の近くの立派なビルで開業している歯科医院にかかる場合は、それなりに注意が必要だということは覚えておいてください。
 
 
2025年05月01日 17:41

院長コラム No31  予後の意味が分からない歯科医師

病院や診療所で「予後」とう言葉を聞いたことがありますか。
予後とは辞書によると
 1 病気・手術などの経過または終末について、医学的に予測すること。
 2 病気の治癒後の経過。 と説明されています。
 
また、「予後とは、手術後の患者の状態や、病気・創傷の将来的な状態、特にそれらの状態に関する見込み、を意味する医学用語である」 とか「予後という言葉は疾病のその後の経過の予測として使うものである」という解説もあります。
 
しかし、この「予後」という言葉が間違って使われている場合があります。
例えば、「腹腔鏡手術の予後」とか「AEDを使用した場合の予後」などというのは明らかに誤った使い方です。
「腹腔鏡手術を行った○○癌の予後」、「AEDを使用した心臓震盪の予後」というのが正しい使い方です。
 
内科や外科ではさすがに誤った使い方をしている医師は少ないようですが、歯科では誤った使い方をしている歯科医師や論文が多数見られます。
 
例えば良く見られるのは「インプラントの予後」とか「レジン充填の予後」「インレーの予後」「歯周再生療法の予後」「矯正治療後の予後」など例を挙げればきりがありません。
 インプラントやインレー、レジンは「物」で、「病気」ではありませんから予後という言葉は適切ではありません。また歯列矯正は一部を除き美容が目的ですから、これも予後という言葉を使うのは誤りです。
 
インプラントにいたっては病気を治すどころか、新しい病気を作っているのですから、「予後」という言葉が一番合わない処置なのです。
ある歯周病専門医の歯科医師は歯周病の治療について「予後の改善」とか「予後を延ばす」などをいう表現を使い論文を書いていますが、これもおかしな日本語です。
歯周病治療についても、例えば「歯周再生療法を行った重度歯周炎の予後が良好か不良か」というのが正しい表現かと思います。
 
なぜ歯科界には「予後」という言葉の誤った使用例が多いのでしょうか。
それは歯学部の教育のほとんどがデンティストリーと言われる歯の修理工や歯の美容を教育しており、病気の治療という概念が根本的に欠けているからだと、私は考えています。
病気が治るということはどういうことなのか、医師として当然のことが分からない歯科医師が多いようです。
 
歯科医師として誰でも治療できると思われている、むし歯も歯周病も本当の意味での治癒を理解している歯科医師は少ないようです。
「病気の治癒」が分からない歯科医師が「予後」という言葉を誤って使用してもおかしくはありません。
「治癒」が分からないのですから、そのような歯科医師に診てもらっても病気は治りません。
 
2025年03月01日 11:13