院長コラムNo30 インプラントの無料相談会を考える
新聞にインプラントの無料相談会を開催しますという折込広告が時々入ってきます。 先日もインプラントが得意だという歯科医院がチラシを入れていました。
チラシのタイトルは「歯でお困りの方はご相談ください」でした。 このタイトルおかしいと思いませんか。
インプラントというのは歯がないところに骨を削って金属の棒を入れる処置です。 歯で困っている患者さんが受ける処置ではなく、歯がないことにより噛むのに困っている患者さんが受ける処置です。
またチラシにはインプラントを入れることは得意ですが、歯を残すことはもっと得意ですとも書いてあるのです。 インプラントは歯がない部位に入れるもの、歯があればインプラントは必要ありません。
歯を残すことのほうがもっと得意だというのであれば、矛盾する文章ではありませんか。 歯で困っている患者さんに行うことはインプラントの無料相談ではなく、歯を残すことの無料相談のはずです。
歯を残すことはもっと得意というのは矛盾があるだけでなく、患者さんを紛らわせる 広告で問題があると思います。
この歯科医院のホームページを見ますと、インプラントの宣伝がほとんどを占めており、歯を残す治療については一般歯科としてわずかに書いてあるだけです。 歯を残すことが得意と宣伝し、結局はインプラントを入れる患者さんを集めるというのが本音なのでしょう。
インプラントが大好きな歯科医師は患者さんのために病気の治療をしている人ではなく、お金儲けが好きなただのデンティスト(歯大工)でしかありません。
高額な宣伝費をかけてラジオで広告を頻繁に流している歯科医院もあります。 それだけ広告宣伝費をかけてもそれ以上の利益があるのでしょう。
インプラントが大好きな歯科医院から見れば来院する方は患者さんではなくお客さんでしかありません。 患者さんは病気の治療の対象ですが、お客さんは儲けの対象です。
皆さんは患者さんとして診てもらいたいですか、お客さんとして対応してもらいたいですか。
2024年11月01日 09:58