院長コラム No32 駅前で開業した歯科医院のチラシを見て
大宮駅の西口には新しいビルが次々と建てられていますその新しいビルにテナントとして歯科医院が入ることが珍しくありません
大宮駅西口の新しいビルのテナント料は都内の一等地ほどではありませんが決して安くありません.
高いテナント料を払って良く経営が成り立つなと他人事ながら心配してしまいます。
経営を成り立たせるからくりはいろいろ理由をつけて自由診療に持っていくことのようです
新聞に折り込み広告を入れてきたある歯科医院は、自由診療を勧める理由を次のように書いています。
「保険の治療は最低限度使えるまでの治療で、隣接する歯の健康や先々のことを考慮した治療ではない」と説明し「自由診療は歯科材料や歯科医師の技術的な治療に制限がなく、再発リスクの少ない歯の将来を考慮し噛むことや話すことを重視した治療が可能」と説明しています。
もっともらしい説明ですが、単刀直入に言えば保険診療で高いテナント料が払えません。
儲からないので自費診療でお金を出してくださいということだと思います。
隣接する歯の健康を考慮するということはインプラントにすれば隣接する歯を削ってブリッジにしなくて済みますよということでしょう。そこにまたからくりがあります。
歯を削るのはだめでインプラントを埋入するために骨を削るのはいいのでしょうか。
医師や看護師などの医療従事者と話をしていますとほぼ全員の方が骨を削るインプラントではなく歯を削るブリッジを選択します。
骨を削って金属の棒を入れることの医学的な問題点が分かるからでしょう
またこの歯科医院は顎関節症の治療として「嚙み合わせ治療、歯を削らない矯正治療で顎の痛みを改善」と説明していますが本当に顎関節症のことを勉強しているのでしょうか
顎関節症という言葉自体世界的には使用されていない言葉で、「T.M.D」という言葉を使用するのが常識ですし、噛み合わせや矯正治療でT.M.Dを治すなどという非常識なことを言っている歯科医師は世界的に見てほとんどいません。
結局はすべて経営のため、自由診療しかないインプラントや歯列矯正に誘導するための詭弁でしかないのです。
駅の近くの立派なビルで開業している歯科医院にかかる場合は、それなりに注意が必要だということは覚えておいてください。
2025年05月01日 17:41