佐倉歯科口腔クリニック|むし歯・歯周病|さいたま市大宮区

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院長コラム No26 歯周病は誰が治療するのか

日本歯周病学会によりますと日本人の35歳〜59歳の7割が歯周病になっているといいます。
 しかし、私の40年の臨床経験から、軽度の歯肉炎まで含めると15歳以上の日本人のほぼ全員が歯周病になっていると考えたほうがいいと思います。 いずれにしても国民の多くが歯周病になっていることは事実です。
そこで、日本歯周病学会は歯周病が重症化する前に早期に受診することを勧めています。 早期受診を勧めるのはいいのですが、歯科医院の選び方の基準に問題があります。
 日本歯周病学会では認定医、専門医制度を作っています。どんな病気でもその治療の際にはその病気に関する知識と経験が豊富な専門医に頼むことが安心につながります。歯周病も同じです。歯周病の治療は認定医か専門医に診てもらいましょうというのです。
 学会の言いたいことも分からないわけではありません。なぜなら、ほとんどの歯科医師が歯周病の治療をしていないというのが現状であり、患者さんはどこを受診していいのか困ってしまうからです。
 では、認定医や専門医はどの位いるのでしょうか。
埼玉県で調べてみますと、大学病院勤務の歯科医師を除くと認定医と専門医を合わせても約100人しかいません。 人口約740万の埼玉県でわずか100人です。 この人数で県民全員の歯周病を管理することは不可能です。  
 日本歯周病学会の専門医、指導医の理念には次のように書いてあります。「歯周病・歯周治療学の専門的知識と技術を有する歯科医師であるとともに、歯科医療関係者ならびに医療関係者と連携をとり、チーム医療を実践する」  
 このように、歯周病専門医は歯周病の治療を専門に行う歯科医師のはずです。ですからこの理念にあるように他の歯科医療関係者とチーム医療を実践するようにということなのでしょう。  歯科医療関係者というのは、他の歯科専門医や、若しくは一般的な開業歯科医師などを言っていると思います。  
つまりそれらの歯科医師と連携をとりチーム医療を実践してくださいという考えだと思います。  
 ところが現状はどうでしょうか。この理念通り歯周病専門医として歯科医療を行っている歯科医師は大学病院の歯科医師か、ごく一部の開業医だけになっています。 多くの歯周病専門医はごく普通の開業歯科医であり、むし歯の治療も入れ歯も歯列矯正も何でもやっている人達です。    
歯周病専門医と言っておきながら、ごく普通の歯科医院と変わらず、歯周病の治療が他より得意というだけの歯科医院でしかありません。  
 歯はむし歯か歯周病が原因でそれがこじれて、抜かれてしまうのです。 歯科医師が歯科の医師なら最低限むし歯と歯周病という病気を治す能力を持っているのが当たり前ではないですか。
 日本歯周病学会は日本の歯科医師のすべてが歯周病治療の能力を持つように努力することが、一番重要な仕事ではないでしょうか。そのうえで、一部の難症例を歯周病専門医に診てもらうのが理想と私は考えています。


 
 
2024年02月15日 16:36