佐倉歯科口腔クリニック|むし歯・歯周病|さいたま市大宮区

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【院長コラム】 No.2 日本は歯科後進国なのか

週刊ポストに「歯ぐき年齢」を15歳若返らせるという記事が掲載されていました。
その冒頭に「日本は歯の後進国」という見出しがあります。
何をもって歯の後進国と言っているのでしょうか。本当に日本は歯の後進国なのでしょうか。
記事には具体例として「日本は世界有数の長寿国ながら、80歳以上の歯の平均残存本数は8本で先進国最低レベルだ。予防歯科に力を入れるスウェーデンは20本というから、その差に驚く」と書かれています。このことだけで後進国と言っているのでしょうか。
厚労省は5年ごとに歯科疾患実態調査というのを行っています。2016年に行われた調査によりますと日本人の80~85歳の平均残存歯数は15.3本でした。
80歳に限定すると平均17本位残っているようです。スウェーデンと比較するとまだ少ないようですが、後進国というほど悪い数値ではありません。
また、 歯が1本も残っていない人の割合を無歯顎者率といいますが、 顎咬合学会雑誌によると先進国の65歳以上の無歯顎者率の割合はイギリスで36%、アメリカ23.9%、ドイツ22.6%、日本10.4%だそうです。
歯科治療の目的は一生自分の歯で食べることです、その事を考えますと無歯顎者が少ないということは一番重要なことではないでしょうか。
これでも日本は歯科後進国でしょうか。
アメリカは日本と違い国民皆保険ではありません。医療保険は個人が会社や学校を通じて民間保険に 加入する場合が多く、医療保険は普通の医療保険と歯科医療保険とに分けられ、特に歯科医療保険費用は高額のようです。そのため、1億3000万人以上のアメリカ国民は歯科医療保険に加入していません。そのためか抜歯になるケースも多アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention、略称:CDC)のH.P.にも65歳以上のアメリカ国民1/4が無歯顎 であることが公表されています。
アメリカの歯科医学は世界最高峰の研究をしていることは誰もが認めるでしょう。しかし、最高の歯科治療をすべての国民が受けられるわけではありません。
その結果が日本より圧倒的に多い無歯顎者の割合なのです。
お金持ちはいい思いをする、貧乏人は無歯顎、いかにもアメリカらしいですね。
日本の国民皆保険は、治療レベルを考えていないことや出来高払いであること、財政的に破綻する危険があることなど問題点も多々ありますが、日本国民にとって欠かせない制度になっていることも事実です。
 
2021年12月09日 12:03