佐倉歯科口腔クリニック|むし歯・歯周病|さいたま市大宮区

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【院長コラム】 No.4 歯と口腔の医療は誰がするのでしょう②

歯科医療とはなにか
 
 もしも歯科医師が歯や口腔の病気を治療する医師なら、歯科医師を医師とは別の資格、別の職業にする理由はありません。 「眼科」や「耳鼻科」の医師はもちろんのこと「皮膚科」や「精神科」の医師などあらゆる医師は「医師」ですが、「歯科医師」は世界中の国々で「医師」とは別の資格、別の職業になっています。その理由は、歯科医師は実はデンティストであって、本当の意味での歯科医師ではないからです。
 
 しかし、本当の意味での「歯科医師」が全くいないわけではありません。きわめて少数ながら、います。そのような歯科医師たちは「歯」や「口腔」の病気の治療をしていますが、それに関連した「デンティストリー」の仕事もしています。ですから、本当の意味での「歯科医師」と「デンティスト」を見分けることがなかなか難しいのです。
 
 けれども見分ける方法はあります。本当の意味での「歯科医師」は、美容師まがいの「審美歯科」とか歯を白くする「ホワイトニング」、医学的にはかなり問題がある「インプラント」という入れ歯、「見た目」を強調する「詰め物」や「かぶせ物」などには興味がなく、そのような広告や宣伝はしません。そもそも、口の中へモノを入れる行為は、医学的には「有害」だが、歯の修理としては「認めざるを得ない」という考えを持っています。歯並びを直す「歯列矯正」も、医学的に必要で意味のあるものにしか手を出しません。                              
     
本当の歯科医療を受けましょう
 

 デンティストリーという仕事は、歯や口腔の医療が貧困だったころに「歯が痛い」とか「物が噛めない」といった問題を解消するために発生したもので、それらの問題の原因である病気を治療する「歯科医療」とは根本的に異なるものなのです。
 
 歴史的に見て、「歯の医療」がなかなか進歩せずその結果「非医師」である「デンティスト」が行う「デンティストリー」が広く普及した理由は、歯の病気によるトラブルは歯を抜くことによってとりあえず解消できたためです。たとえば目や耳の病気ではそんなことはできません。ですから、歯や口腔の医療の進歩というものは、デンティストリーを消滅の方向に向かわせるものなのです。
 
 「デンティストリー」を「歯科医療」と勘違いしている患者さんは大勢います。それらの患者さんたちは、デンティストに歯をいじられればいじられるほど「歯」や「口の中」の健康状態が損なわれていきます。それが分からないのは、デンティストが痛みをとってくれたり、噛めるようにしてくれるためでしょう。
 
 賢い歯科患者は、歯科医師とデンティストの違い、歯科医療とデンティストリーの違いが分かる患者さんです。
 今、日本には一握りの「歯科医師」と圧倒的多数の「デンティスト」が混在しています。これからは「歯科医師」が「デンティスト」に取って代わらなければならない時代です。そのような時代を拓くのは、賢い患者さんたちです
 
 
2022年01月22日 15:12