【院長コラム】 No.12 歯科医院の選び方
これだけ歯科医院が増えてくると、患者さんも歯科医院選びで悩んでしまうでしょう。歯無しにならないために、歯科医師の探し方、選び方、かかり方は大変重要なことなのです。
しかし、実際に歯科医院を選ぶ前に考えなければならないことがあります。
それは良い歯科医院とは何かということです。 一般の人が考える歯科医院のイメージというのは、痛い、通院期間が長い、費用がかかる、治療が苦痛などだそうです。
ということは、痛くなく、早くて、安くて、苦痛のない歯科医院が良い歯科医院なのでしょうか。
そのように考えるのはある意味、説得力があります。
ある週刊誌に掲載されていたあるアンケートによりますと、 「歯医者さんというのは、医者というより、職人さんという感じ」とか「職人という感じですか、ヤットコペン、ペンチのたぐいです」というような答えが多かったといいます。
つまり、歯科医師を口の中の病気を治している医師でなく、穴を埋めたり、金属の棒を埋めたり、歯を動かしたり、歯を白くしたりする人と定義すれば、痛くなく、早くて、安い歯科医院は良い歯科医院なのかもしれません。
しかし、内科、外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、整形外科などの医科の診療科では、痛くないとか早いとか、まして安いなどということは良い医院の判断材料にはなるはずがありません。
つまり、ほとんどの歯科医院は口の中の病気の治療をしていないのです。病気の治療をしていると考えているのは、歯科医師だけです。
「リップエステ」なるセミナーを開催したり、東京都歯科医師会が都民向けに 「白い歯でホワイトクリスマス」などという講演会を開催したり、歯科医師会が主催でホワイトニングや審美歯科の講演会を開いているのです。
歯科医師会がこのような講演会を医療として開催しても、一般の人は医療行為だとは考えません。
患者さんにとって本当に良い歯科医院とはどういう歯科医院なのでしょうか。
例えば、目の病気を治すのに美容外科へ行く人はいないでしょう。また、鼻を高くしたいのに耳鼻科へ行く人もいないでしょう。
つまり、何を目的にして、歯科医院に行くのかが問題になってきます。
歯科医院は口の中の病気を治すことを希望する人が行くところです。 ですから、当然病気を治し口の中を健康にする能力がある歯科医院が良い歯科医院です。
美容外科や美容院、エステではないことを理解する必要があります。
2022年07月29日 10:12