佐倉歯科口腔クリニック|むし歯・歯周病|さいたま市大宮区

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院長コラム No.19 歯科医院の待合室

診療所に送られてくるダイレクトメールや雑誌には歯科医院の待合室について、書かれた記事が少なくありません。
歯科医師が増えて患者さんが減少している歯科界において、待合室のイメージを変えて患者に来てもらおうということなのでしょう。 しかし、それらの記事には医療機関としておかしな発言が多数見受けられます。
 ある歯科医師は「従来の歯医者では怖い、痛い、暗いといったマイナスイメージが先行して入りづらいのが本音です。しかし、当院のコンセプトは美容室やカフェなどのように、気軽にきてもらう空間です。」と話しています。
 また、ある女性歯科医師は歯科材料の会社が出している雑誌で、歯科の診療所について「スポーツクラブや美容院に行くような感覚で、通うのが楽しくなるような場所」と述べています。
  歯科医師だけではありません。歯科医院のリフォームをしている設計事務所からのダイレクトメールには「自分は病気だという固定概念を払うには発想も自由でなければなりません。コンシェルジュの発想で患者さまに応接。待っていても快適なJALのさくらラウンジを応用。もし、京都の旅館がクリニックだったら病の早期発見に貢献できるという発想。」などという文章がたくさん並んでいました。
 これらの方は歯科医療を本当に理解しているのでしょうか。  とても歯科医師の仕事を医療と考えている発言ではありません。
  例えば、外科に行く患者さんは怖いからとか、痛いからという理由で受診するのを控えますか。医療機関に行けば辛い検査や苦痛の伴う治療がたくさんあるのではないですか。 手術を受けるのは怖いし、手術後は痛いのではないですか。
 外科の先生がそれらのイメージを変えるためにカフェのような病院や待合室を作ろうとするでしょうか。
「通うのが楽しくなる」にいたっては、医師が聞いたらおそらく信じられないと言うでしょう。
  リフォームの会社のコンセプトも医療機関のものとは考えられません。おそらく外科や内科や一般の医療機関をリフォームする際にはこのような発想は出てこないでしょう。
 結局、ほとんどの歯科医師は歯科医療とは何かを理解していません。 歯科の医師と一般の人には思われている歯科医師自身が理解していないのですから、患者さんが歯科治療に対して間違った理解をしていても仕方ないことかもしれません。 その結果、カフェや美容室のような待合室のある診療所に、見た目だけにひかれて行ってしまうのでしょうか。
 
待合室に入ってカフェやホテルのロビーや美容室のような雰囲気を感じるような歯科医院には絶対行かないことです。

 
 
2023年03月31日 16:08