院長コラム NO39 砂糖とむし歯
糖分と健康の関係を調査するイギリスの専門家グループ「アクション・オン・シュガー(Action on Sugar)」は、イギリス国内に展開するコーヒーチェーンとファストフードチェーンのメニューに掲載されたドリンク131種類を分析した結果を公表しました。このうち実に98%で、砂糖含有量がイギリスの消費者向け食品指針で「摂取量を減らすべき」とされるレッドゾーンに達しているとしています。
たとえば、スターバックスではオレンジとシナモンスティックを添えたグレープフレーバーのホットチャイの最大サイズ「ベンティ」に含まれる砂糖の量は、小さじ25杯分に相当する99グラムだそうです。
砂糖の取りすぎは全ての健康に良くないということで、世界保健機関(WHO)は2015年3月5日、1日の摂取カロリーに砂糖などの糖類が占める割合を5%未満に抑えるよう呼びかける指針案を発表しました。
WHOの発表は糖類が占める割合を示しているので、砂糖だけの量ではありませんが、砂糖の量に換算すると、平均的な大人の場合、総摂取カロリーの5%に相当する砂糖は25グラム。ティースプーン6杯分になります。
これは一般的な砂糖を含んだ炭酸飲料1缶分に含まれている砂糖(約40グラム)よりも少ない量です。
そう考えますと、スターバックスのホットチャイに含まれる砂糖の量が尋常ではないことが分かりますね。
砂糖の取りすぎは肥満、糖尿病、むし歯などになりやすいと言われていますが、砂糖業界は自身のH,P.でそれらを否定する見解を述べています。
むし歯と砂糖の関係については次のように書いてあります。
『お砂糖を食べなくても、虫歯にはなります!
甘いものを食べると虫歯になるというのは昔から言われていることです。しかし、甘いものを食べなくても虫歯になります。 では、虫歯の原因とはなんでしょうか?
虫歯は、口内の細菌(虫歯菌)が増殖して歯を溶かす物質(酸)を作り出す事によって起こります。虫歯菌は歯に付いた食べカスをエサとして増殖します。つまり、砂糖に限らず、食べカスが口の中にあると、虫歯になるという事です。
それならば、虫歯を防ぐ答えは簡単ですね。歯を磨いて食べかす(歯垢)を取り除く事です。食べカスが口に残らなければ虫歯菌も増殖できません。三度の食後といわず、何かを食べたら歯を磨く事を忘れずに。』
誰がこの文章を書いたのかは知りませんが、むし歯予防についての正しい知識がある人が書いたとは考えられません。
食べかすと歯垢は違いますし、また食べかすがあってもそれが野菜などのカスであれば酸は作れません。歯垢とは細菌の塊で、簡単に言えばその細菌が酸を産生するのに砂糖が一番いいエサになるということです。
砂糖を適量摂取することは悪いことではありません。しかし、取りすぎは良くないということになれば、砂糖の消費量が減り、砂糖業界全体としても売り上げが減少するという構図は仕方ないことでないでしょうか。
2026年04月22日 15:13
