佐倉歯科口腔クリニック|むし歯・歯周病|さいたま市大宮区

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院長コラム NO40 インプラントは歯科医療を滅ぼす

歯科医療の「商業化」とインプラントという劇薬
現代の歯科医療において、インプラントは失った歯を補う魔法の杖のごとく君臨しています。しかし、私が「インプラントは歯科医療を滅ぼす」という警鐘を鳴らす背景には、単なる技術への否定だけではなく、医療の根幹が揺らいでいることへの強い危機感があるからです。
1. 抜歯の安易な選択と「保存」の軽視
歯科医療の本来の使命は、自分の歯をいかに長く持たせるかということです。しかし、高額な自費診療であるインプラントが経営の柱となると、現場では「無理に治療して残すより、抜いてインプラントにした方が確実で予後も良い」というまやかしのロジックが優先されがちになっています。本来なら根管治療や歯周病治療で救えたはずの歯が、ビジネス上の効率や確実性の名の下に、安易に抜歯の対象となっている現状があります。これは医療の本分である「組織の保存」からの逸脱に他なりません。
2. 生体への侵襲と「インプラント周囲炎」の盲点
インプラントは生体にとって「異物」であす。天然歯には「歯根膜」というクッションと細菌流入を防ぐバリア機能が備わっていますが、インプラントにはそれがありません。一度「インプラント周囲炎」を発症すれば、天然歯の歯周病よりも進行が速く、骨が溶け出すリスクもあります。しかし、多くの批判的視点が指摘するのは、術後の過酷なメンテナンス責任を患者に負わせたまま、手術の成功だけを強調する業界の姿勢です。数十年後、高齢となり通院やセルフケアが困難になった際、顎の骨に埋まった「抜けない異物」が深刻な炎症源となるリスクは、十分に語られているとは言い難いと思います。
 
本来の歯科医療とは、患者の食生活とQOLを支えるための地道な予防と治療後のメンテナンスの積み重ねの上に成り立ちます。目先の利益や利便性のために天然歯を軽視し、外科的な介入を第一選択とする風潮が続く限り、「インプラントが歯科医療を滅ぼす」という言葉は、現実の呪文となって歯科界を蝕み続けるのです。私たちが今一度問い直すべきは、インプラントという工事の成功率ではなく、一本の歯を救おうとする医療人としての矜持ではないでしょうか。
 
 
2026年05月31日 17:34